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ahead femme 編集長・若林葉子のラリーへの道

02.始動

前回(01.ラリーへの夢)、2005年以来持ち続けてきたモンゴルラリーへの夢を告白した。告白してしまった以上は、もう、多分、行くよりほかなく…。
主催者のSSER、山田徹さんに電話をした。「私、今年、参戦しますから」。
そして2005年にプレスで「参加します」と言ってしまったときと同じく、実は今、途方に暮れている。
ラリーで走れるほどの運転の技量、ナシ。ナビができるほどの経験、ナシ。クルマを改造するにあたっての知識、ナシ。砂漠の10日間を乗り切れるだけの体力・筋力、ナシ。何より参戦費用、ナシ。ないない尽くしだ。
だけどひとつだけあるもの。最終的に「行こう」と思えた理由。それは池町佳生さんの存在だった。

出会い

『Beijing Ulanbaatar 2005』ではたくさんのエントラントとの出会いがあった。一般の人たちが大半であったが、モータースポーツの世界で活躍する人たちがプライベートで参戦している例もあり、1983年以来ダカール・ラリーに参戦し続けている菅原義正さんや、元レーシングドライバーの長谷見昌弘さんにもモンゴルで初めてお会いした。
池町さんもそのうちの一人。みな自分のことで精一杯。緊張が隠せないエントラントが多い中で、余裕の表情を見せている若者。彼のことをまったく知らない私の第一印象は「不真面目そうな人」だった。しかしラリーが始まるとどんどん「たのもしい人」に変わっていった。
それもそのはず、池町さんはれっきとした国際ラリーストであり、四輪に転向する以前には、パリダカの二輪部門で日本人最高位の記録を獲得しており、いまだその記録は破られていない。普通の人にとって一生に一度か数度のラリーも、彼にとっては「いつもの」場所であったのだ。
とはいえ知らないことはときには強い。私は「ただの人」として池町さんと親しくなり、同い年であるのが良かったのか、どちらも関西出身であることが良かったのか、10日間のラリーが終わるころには、池町さんではなく「イケマチ」に変わっていた。

イケマチ

その後もイケマチとのつきあいは続き、何かの折に「私がモンゴル走るときはナビやってくれる?」と聞くと、「ええよ。ギャラもいらんよ」と実にあっさりした答が返ってきた。これぞ棚から牡丹餅である。
ただし甘くはない。「行きたい行きたいと言って、行かんやつはいっぱいおる」「行きたい言うだけやったら、いつまでたっても行かれへんで」「いつ行くんや?」と会うたびうるさい。おまけに編集部には「口だけ」を嫌う神尾(Planning manager)もいて、当然のようにイケマチの肩を持つ。
二人の意見は同じ。「ただ待っていて状況が整うなんてことはあり得ない。行動を起こさなければ駄目。でも自分が率先して動き出せば、必ず応援してくれる人が出てくるよ」。人生、ときには思い上がりも必要、ということか。
新米編集者の村上が聞いた。「池町さん、何で若林さんと一緒に出てくれるんですか?」 このときの答もシンプルだった。「ワカバヤシが一緒に行ってくれって言うから」。
池町さんにしても神尾にしても、分野は違うが、自分の決めたことは生活のすべてをかけて実行する人たちだ。だから私のような「にわかラリー好き」に対しては、根底に「甘い」という気持ちがある。同時に、私のような「ふつう」の人がモータースポーツの入り口に立って、経験して、何を感じるかという興味もあり、それを一般の人にうまく伝えてほしいという期待もあるだろう。だから、「本気でやるなら応援するよ」というのが彼らのスタンスだ。試されてもいるのである。
いずれにしても、今決まっていることはひとつだけ。今回のチャレンジのパートナーは池町佳生。それ以外は未定。果たして間に合うかと、準備の大変さを知らない私を尻目に、周囲が心配し始めた。

文・若林葉子

<<01.ラリーへの夢03.クルマ>>

2005年ゴビ砂漠で。ラリーという競技には、こんな素敵な出会いもある。暑さや苦しさを忘れる瞬間。

関西在住。一年の優に半分は海外に出ている池町さんとは、目下スカイプで打ち合わせをすることが多い。

協賛してくれるスポンサーを集めるための企画書。資金が集まるかどうか、一番心配なことでもあり、一番大切なことでもある。

若林葉子

若林葉子

ahead femme 編集長
1971年大阪生まれ。立教大学文学部卒。OLを経てフリーランスに。2005年よりフリーマガジンaheadに携わり、2009年より現職。2005年7月~2006年9月まで、日経ビジネスOn Lineにて「もてるクルマ、もてないクルマ」を連載。2005年、桐島ローランド氏の2輪クロスカントリーラリー初挑戦“Beijing Ulanbaatar 2005”に同行取材し、以来、ラリーの魅力に憑かれ、今年いよいよ自身でもラリーレイドに参戦する。

Rally Mongolia 2009
8月2日(日)~11日(火)
─8etaps(ルートは未発表)

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