健全な不良への誘いby 堀江史朗
そもそも日本でオートバイと言えば側車付き(サイドカー)を意味していた。それに対して牽引部が分離できない構造の2輪自動車を【単車】と呼んだのだ。起源はあくまでも3輪車であり2輪車はそこから派生した歪なモデル。「単車は不安定な乗り物」という社会的風潮は相当強烈なもので、そんな危なっかしい乗り物を無謀に操ろうとする人種を世の中は【不良】と呼んで蔑視してきた。
だが不良たちは、逆にいつの時代でもカッコよく輝いていた。少年は大人になる過程で必ず悪さを嗜む。煙草でむせるのも、呑めない酒をあおるのも、すべては不良への憧れからくる若者らしい衝動であった。では不良がなぜ魅力的であったか。それは正しい不良が冒険心をもち、リスクは自己責任として処理できたから。他人に優しく自分に厳しいのが硬派の不良。そしてバイクはその象徴とも言える乗り物であった。ごくわずかに生涯を【Young at heart】で貫き通す贅沢な人間もいるが、多くの【賢い凡人】は年を経てやがて冒険を諦めはじめる。では心根から不良さがなくなるとどうなるか。それは【粋】を否定することと同意。合理性と無駄のバランスを見失うと【華】がなくなる。
さて、そこでEDGEとしての提案だ。
4輪を楽しむために敢えて2輪にも乗ってもらいたい。鉄馬は動力馬車を御すより難しいが、消えかけた冒険心に火をつけるには効果的。健全な不良になるには、いま6輪生活が最適である。
