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ボルボ850 / 1992~97年
モデル変遷

1992年6月~ | 1992年10月~ | 1993年10月~ | 1994年9月~ |
1995年6月~ | 1995年9月~ | 1996年2月~ | 1996年8月~ |
1997年1月~ | 

1992年6月:850シリーズを販売開始
 スウェーデン製ボルボ初の前輪駆動車として日本販売開始。広く快適な車内スペースを実現し、安全、経済的かつ環境負荷の軽減を踏まえたうえで、ドライビングプレジャーを徹底的に追求するという、新たなコンセプトによる1990年代に向けた戦略モデルであった。スタイリングは、それまでのボルボらしい角張ったラインをベースにしながらも、細部に曲線を使い、モダンな印象を与えることに成功している。この850のデザインを担当したのは、ピニンファリーナであった。まずはセダンの850GLTが導入された。右ハンドル仕様車のみであった。
↑それまでのボルボのアイデンティティをしっかりと残しながらもモダン化したスタイリングで登場 ↑インテリアの質感は、上級モデルとなる740や940などに比べても大幅に向上しているのが特徴だ
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1992年10月:新型エンジン搭載モデル導入
 中低速域でのドライバビリティをより重視し、燃費も20バルブエンジンよりも良好な数値をもつDOHC直列5気筒10バルブエンジンを搭載したGLEが新設定された。20バルブエンジン搭載のGLT同様の外観・室内と豊かな装備のまま、リーズナブルな価格設定がなされていた。
 そのほかの改良点は、トラクションコントロールシステムの装備、メモリ機能付き電動フロントシートの装備、新デザインのギアセレクターレバーの採用、1回のボタン操作でウインドウを全開できるオートダウン機構の運転席側パワーウインドウへの採用などであった。
↑GLTよりも低価格設定のGLEが追加され、さらにボルボ850オーナーが増えることになった ↑全車にシフトロック機構を追加したギアセレクターレバーを採用している。レバーのデザインも一新された
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1993年10月:エステート、ターボモデルが登場
 シリーズ導入当初より販売開始が待望されていたエステートモデルがいよいよ導入開始。セダンと同様の取り回しに大容量のラゲージスペースを実現した、実用性の高いモデルであった。
 また、ラインナップに、パワーの増大はもちろん、低回転域から中・高回転域までの広い回転域でフラットなトルク特性を実現したターボエンジン搭載モデルや、安全装備はそのままにして快適装備を省略したエントリーグレードであるGLが追加された。そのほか全モデルに、ヘッドライトの4灯式化、新デザインのバンパーの採用といった変更が加えられた。
↑ターボエンジンを搭載するモデルには、リアスポイラー(セダン)、整流板(エステート)が付く ↑ターボモデルのインテリアはほぼ他モデルと共通。違いはブーストゲージが付く程度である
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1994年9月:サイドエアバッグ採用
 量産市販車として世界で初めて、全車にサイドエアバッグ「SIPSバッグ」を標準装備。衝突からわずか0.012秒でバッグが膨張し、乗員を保護する。
 そのほか、GLE、GLT、ターボに本革シート、CDオートチェンジャーなどが標準装備となった。
↑側面衝撃からの乗員の保護効果を一層高めたSIPSエアバッグを標準装備した
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1995年6月:特別限定車T-5Rが登場
↑専用スポイラーを装着。カラーはクリームイエローとブラックを設定した限定車のT-5R
 850ターボをベースに最大出力をさらに15馬力アップさせた240馬力エンジンを搭載したスポーツモデルがT-5R。パワーウェイトレシオは約6kg/psを誇り、0→100km/hの加速は6.9秒を達成している。もちろんこのエンジンに合わせて、シャーシも強化されている。エステート(車両価格615万円)が500台、セダン(車両価格595万円)が150台販売されたが、即完売となった。
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1995年9月:400万円を切るエントリーモデル登場
 1994年モデルのGLに、トラクションコントロールシステム(TRACS)、本革巻きステアリングホイールなどを新たに標準装備したうえで価格を400万円以下に抑えたエントリーモデルS2.5が追加設定された。
 また2タイプのオプションパッケージを設定。GLE/GLTに設定されたクラシックパッケージは、本革シート、ウッドステアリングホイール、スペシャルアルミホイールなどを装備。またターボに設定されたスポーツパッケージは、本革シート、プロジェクターフォグランプ、強化サスペンションが装備された。両方ともベースモデルとの価格差は30万円であったが、装備はそれ以上の価値があった。
↑クラシックパッケージのインパネは、レッドウッドパネルを採用している。高級感のある仕上がりだ ↑スポーツパッケージの外観には、フォグランプとタイタンホイールを装備。サスペンションも専用のもだ
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1996年2月:特別仕様車850Rが登場
 850Rは、850ターボ(セダン&エステート)をベースに出力をT-5Rと同じ240馬力とし、さらにシャーシにトム・ウオーキンショー・レーシングの協力によるスペシャルセッティングを施したモデルだ。ボディカラーは、専用のニューレッドをはじめ5色。大型スポイラーをフロントに、セダンには専用スペシャルスポイラーがトランクリッドに装備された。当初、エステート(車両価格600万円)が700台、セダン(車両価格580万円)が200台販売されたが、後にエステートが追加で200台販売された。
←専用色ニューレッドのボディカラーが強烈な印象を与える。前後に装着されたスポイラーも迫力あり
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1996年8月:低圧ターボモデル登場
 新開発のライトプレッシャーターボ付き2.5L DOHC直列5気筒20バルブエンジン搭載の2.5Tが追加ラインナップされた。このエンジンは、特に低回転域から中速域へのスムーズなつながり感を重視し、実用域での使いやすさを向上させるとともに、低燃費を実現させたターボエンジンだ。
 またグレード名が全面的に変更され、前年モデルのGLEに当たる10バルブエンジンを積む850 2.5と、GLTに当たる20バルブを積む850 2.5 20V、ターボに当たる高出力ターボモデルの850 T-5、そしてこの時追加された2.5Tのラインナップとなった。
↑2.5Tは、1800~5000回転の広い回転域にわたって最大トルクを発生するエンジン特性を持っている ↑0.33barという低圧で過給するため、スムーズなトルク上昇が得られるライトプレッシャーターボ
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1997年1月:特別仕様車850クラシックが登場
 850 2.5 20Vおよび850 2.5Tをベースに、主に快適装備品を特別装備しながら価格据え置きというコストパフォーマンスの高いモデルが登場。この850クラシックには本革張りシート、ウッドステアリングホイール、レッドウッドパネル、ウッドシフトノブ、助手席パワーシート、CDプレイヤー内蔵オーディオ+6連奏CDチェンジャー、ペルセウス・アルミホイール(6.5J×16)、クルーズコントロール(2.5 20Vのみ)などが特別装備された。これらの装備は、市価では計100万円分に相当した。
←多彩な特別装備で価格は据え置き。当然のことながら大人気となった
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