HOME > MY EDGE CAR > SENJU Akira

DailyEDGE特別編 My EDGE Car

気になるあの人の“エッジ”な車拝見

マイエッジカー

千住 明 MERCEDES-BENZ E55 AMG

世界を舞台に活躍する千住明さん。M・ベンツの職人気質にほれ込んでいるそうです

SENJU Akira × MERCEDES-BENZ E55 AMG

千住明 音楽家

大切なのはパートナーとしての信頼感

「僕や兄のクルマの趣味はね、父のクルマに対する考え方が反面教師になっているんですよ」 千住明さんの父親(工学者の千住鎮雄氏)は、一度手にしたクルマなら最低でも10万kmは乗らないとダメという主義で、1.5リットルクラスの国産セダンを文字どおりボロボロになるまで乗っていたという。その反動で、3兄弟(兄は日本画家の千住博氏、妹はヴァイオリニストの千住真理子さん)は、「大人になったらエレガントなクルマに乗りたい」という想いが強くなったのだとか。

千住さんが初めて手にしたクルマは、兄から譲り受けたサーブ9000。鉄の塊のようなボディはなんとも言えない安心感があったという。このクルマで玉突き事故に巻き込まれたことがあったが、前後のクルマは完全につぶれてしまっているのに、サーブだけはほぼ無傷だったそう。忙しくなるにつれ、深夜まで作業をする日も増えた。安全運転を心がけることはもちろんだが、万が一事故に遭ったとしても自分はもちろん巻き込んだ他者に与えるダメージも可能な限り少なくしたい。そんな理由から、M・ベンツに惹かれるようになった。 「今では多くのクルマで当たり前になりましたが、M・ベンツはかなり昔から“万が一のときは、まず自分が壊れる”という設計をしていると聞きまして。そのブランド思想に愛情に似たものを感じたんですよ。そして音楽家として、M・ベンツのサウンドデザインに感服しました。車内の音響をどのようにするか、エンジンや車外の音をどのように聞かせるか。このバランスが絶妙です。運転する心地よさ、安全性、居住性…。人間工学的なアプローチを取り入れ、どれにおいても優れている音を作り出しているのは本当にすごい!」

クラシック音楽の中でもドイツ派に属する千住さんは、昔からドイツの職人のものづくりに対する姿勢に感銘を受けていた。機能的かつ洗練されたデザイン、見えない部分にまで時間とお金をかけて作られた製品。大量生産のものにさえ垣間見えるこだわりには、同じ作り手としてただ頭が下がるばかりだという。94年、初めてのM・ベンツとして320Eクーペ(C124型)を手に入れた。 「実はこのEクラスにはかなり愛着があって、まだ手放せずにいるんですよ。もうボロボロなんですが。何度も『もういいかな』って思うけれど、自分のもとから離れた後の生活が想像できなくて。AMGはメルセデス乗りならだれもが憧れるもの。メジャーすぎる感はありますが、一度くらい乗っておこうと思って手に入れました。ノーマルと違い、路面の感触がサスペンションやステアリングを通してダイレクトに伝わってくるのは楽しいですよ。走るというクルマが持つ本能のようなものを感じます。しかも長距離を走っても疲れない。つくづくよくできたクルマだと思いますね」

さらに日常の足としての使い勝手を考え、現在のラインナップにC250エレガンスを加えることにした千住さん。BMW 3シリーズとCクラスを比較、最終的にコンパクトさが決め手となり、Cクラスをチョイスした。今秋からはM・ベンツ3台体制になる。イギリス車やイタリア車にも気になるモデルはあるというが、最終的にM・ベンツにたどりつく理由は、いったい何か。

「一言で言うなら“メジャーである”ことでしょうね。メジャーという言葉をマイナスにとらえる人もいるでしょう。あえて言い換えるなら信頼感。クルマは数少ない一人になれる空間だから、ある意味自分の部屋よりも大切なものだと思うんです。僕はレコーディングした音源の最終確認をクルマのオーディオで行います。つまり仕事場でもある。だからこそあらゆる面で最良のパートナーになってほしい。壊れても『仕方がない』ですませることはできないんです。そんな職人気質を求めると、必然的にM・ベンツになってくる。最高のエッジにとって信頼は不可欠な要素なんですよ」

千住 明 MERCEDES-BENZ E55 AMG
PROFILE
せんじゅ・あきら/1960年10月21日生まれ(47歳)。東京芸術大学作曲科卒業。同大学院を首席で修了。代表作に羽田空港第2ターミナル環境音楽「四季」やオペラ「隅田川」(台本:松本隆)。ドラマ「ほんまもん」「砂の器」「風林火山」、映画「愛を乞うひと」「黄泉がえり」「涙そうそう」「象の背中」等多数の音楽も担当。3度の日本アカデミー賞優秀音楽賞等受賞歴多数。東京音楽大学客員教授。10月31日(金)には、京都コンサートホールにて詩篇交響曲「源氏物語」(作詞:松本隆)を初演予定。
【Official HP】http://www.akirasenju.com/
文・高橋 満 写真・尾形和美
text / TAKAHASHI Mitsuru photos / OGATA Kazumi