レースでの勝利が独創的な
バイクが生まれる礎となった
1921年、モトグッツィ創業。現在もタンクに羽ばたく鷲のエンブレムは、創業前に飛行機事故で逝った友へのオマージュとして選ばれた。同年、モトグッツィ初の市販モデル“ノルマーレ”が誕生。これに採用されたセンタースタンドはその後、他のメーカーも挙って採用することになった。さらにこの年、レースにも参加。2戦目のタルガフローリオで初勝利を飾る。以後、レースから手を引く57年までに14の国際スプリント、11のツーリスト・トロフィーでタイトルを獲得している。レースで勝ち得た名声は販売を強力に後押しした。50年代には実寸大のモデルを持ち込める風洞施設も他に先駆けて設立した。55年には500cc8気筒エンジンを積み285km/hを記録した8チリンドリが登場。60年代に突然訪れた経営難を乗り切りつつあった67年、703ccの90度Vツインエンジンを積んだグッツィV7が誕生した。以後、今日までこの独創的なエンジンはモトグッツィのシンボルとなっている。
Breva V750
イタリア北部の高級リゾート地として知られるコモ湖。この地では雲を吹き払う風を“BREVA”と呼び、転じて好天の意味も持つ。モトグッツィの新世代モデル、Breva(ブレヴァ)。あくの強いスタイルのグリーゾ、スポーツ色の濃い1200スポルトが控えるネイキッドモデルの中で、ブレヴァのデザインはシンプルかつニュートラルで親しみやすい。エンジンはカスタムシリーズのネバダ(日本未導入)と並ぶ最小排気量となる750ccで、ボディは女性でも扱いやすいコンパクトサイズだ。しかしタンクの下、左右に突き出るシリンダーヘッドが、一目でモトグッツィであることを知らしめている。イタリアの“生ける伝説”を気負うことなく手に入れる最適なマシンだろう。
California Vintage
1971年、北米マーケット向けに開発されたカスタムモデル、カリフォルニアが誕生した。当時、アメリカン=カスタムの市場は本場アメリカ製モデルと日本製イミテーションによって2分されていた。その中に切り込んだ“マカロニ・カスタム”ことカリフォルニアは、V7スペシャルのシャシーと757ccの90度Vツインエンジンという強力タッグの実力を見せつけ、アメリカだけではなく世界中で人気を博した。その証拠に、アメリカに導入されるやいなやロス市警(L.A.P.D.)が採用し、その後他の多くの市警も導入していた。以降カリフォルニアは、スタイルは変えずメカニズムに改良と進化を重ねながら今に至る。その“変わらなさ”は本場アメリカ製も一目置くに違いない。