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READY TO RACEを掲げるKTMとは

すでに57年の社歴を持ち、オフロード界では 確固たる位置を築いているKTM。
彼らがストリートモデルラインの 拡充に踏み出して7年。よりスパイシーな人生を、と走りを愉しむことに妥協無きKTM。そんな彼らの 今までとこれからをそのスピリットとともに紹介して行きたい

文・松井 勉 写真・田口顕二、KTMジャパン text / MATSUI Tsutomu  photos/TAGUCHI Kenji , KTM JAPAN

2010年。ZEVスポーツバイクラインの追加で加速するKTM

オーストリア第3の町、ザルツブルクからクルマに荷物を放り込み北東に広がる湖沼地帯を走りKTMが創業当時から本拠を置くマッティグホーフェンに向かう。KTMの社名は、エルンスト・クローノライフのK、ハンス・トゥルン ケンポルツのTという2人の創業者と、創業地からMを加えたものなのだ。そして小一時間ほどで着いたマッティグホーフェンの町は、酪農地帯に囲まれた長閑な場所だった。

99年に建てられた現在の本社はあくまでも近代的かつ大きな存在感をもってそこにあった。少し歴史を紐解こう。ハンス・トゥルンケンポルツはKTM創立以前の1934年、この町で修理工場を始める。そして1937年にはDKW(後にアウディの前身となるアウト・ユニオンになる)製モーターサイクルのディーラーとして大きく成長する。1951年にはオリジナルのモーターサイクルの設計に取りかかり、1953年にR100という第1号を販売することになる。そして、この事業に出資する形で参画を果たしたクローノライフとともにKTMを始動させるのである。

当時から都市間長距離レースや、オーストリア国内のグランプリなどに積極的に参加し、そして勝利を重ねていく。レースは開発の場であり宣伝の場にもなった。スポーツバイクやモペッド、スクーターなどを生産していたKTMは、60年代後半アメリカ向けに開発したオフロードバイクにより現在のオフロードメジャーとしての礎を築き、さらに成長してゆく。

しかし1987年10月に起こったブラックマンデーの影響で1991年に破産申請をすることになる。翌年、現経営体制でKTMはリスタートを切り、現在に至るのだが、以来、オレンジ色のCIカラーや、ピュア、パフォーマンス、エクストリーム、アドベンチャーという原理からなる、READY TO RACEという製品哲学のもと、ライフスタイルをよりスパイシーにするモデルラインを展開している。そしてオフロードばかりではなく、ストリートモデルのフルライン化を図るべく21世紀になってからの伸長ぶりは目を見張るものがある。

僕が最初に体験したKTMはエンデューロ用のオフロードバイクだった。250㏄だったが、当時の国産モデルの倍近いパワーを持ち、サスペンションストロークも長い。しかし、そのパワーは過渡特性に極端なところがなく、躊躇なく開けてゆける。むしろパワーの少ない国産のオフロードモデルより走りやすい。滑りやすい路面でそれが味方することをKTMは先刻承知しているのだ。だから安心して開けられる。楽しい。知らぬ間に自分の限界を押し上げることができる。この乗り味は現在のKTMにも健在だ。

KTMはそのラインに新たにZEVスポーツバイクを加えるべく開発を続けていたが、その最終プロトが発表された。KTM Freerideと名付けられたそれは、エコで環境に良いコミューターではなく、あくまでも乗るだけでアドレナリンが出るような楽しい乗り物だという。これによってモータースポーツが人の住環境により近づけられるという効果にも期待しているという。なるほど、ピュアでエクストリーム、パフォーマンスもあり冒険心に溢れるKTMの真骨頂を封入したZEVである。ファンでこそKTM。その流れは不変のようである。

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    ザルツブルク空港の到着/出発ターミナルと滑走路をはさんで反対側にあるハンガー・セブン。レッドブルの創立者、デードリッヒ・マテシッシのおもちゃ箱だ。そこに収まる収蔵品。ライトニングの翼の下にF1カーがごっそりとある

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    レザースーツやオフロード用のウエア類などからカジュアルなタウンユース、ベビーウエアからキッズ用まで多種を用意するKTMのPOWER WEAR。ライフスタイル戦略を見事に反映し、各国で販売数を伸ばしている

  3. 3

    ハンガー・セブンに収まるGP125用マシン。0 9年まで活躍したKTMチームにはMOTO GPチャンピオンのケーシー・ストーナーや、青山博一、小山知良も在籍。今年はRC8Rでドイツスーパーバイク選手権に参戦する

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    マッティグホーフェンのKTM本社。ガラスのショーケースには市販車が等間隔で置かれ、訪れる人の視線を集める。1階がアッセンブリーライン、2階がオフィスになっている。CIカラーのオレンジ色を鮮やかに使う

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    約45分に一台の割合で生産をするアッセンブリーライン。作業員が納得する仕事をしてから次のセクションに引き渡すよう、手動で次のセクションに引き渡すシステムをとる。そのこだわりにグッとくる場面なのである

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    オーストリアの自動車産業の町、グラーツで生産されるKTMX-BOW。ダラーラのカーボンシャシーにアウディの2邃塔^ーボを搭載。ABS、TRC、VSCを持たないピュアに走ることと対話するスポーツカーだ

  3. 7

    KTMが放つZEVスポーツモーターサイクルFreeride。モタード仕様とオフロード用が用意されている。90分の充電で市街地なら約2縲鰀3時間、オフロードの全開走行はプロライダーが乗って40分ほどのレンジをもつという

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    ザックス製100㏄空冷単気筒を搭載したKTM初の市販モデルR100。グリップチェンジの2速ミッションを備え、最高速は100㎞/hに達した。このモデルは1955年まで生産が続けられ、次世代モデルへと交代してゆく

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