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BMW S 1000 RR

スーパースポーツの常識を超えたヤツ

BMWが満を持して送り出した、初のスーパースポーツモデル
国産スーパースポーツ勢が色褪せて見えるほどの性能を元来の高級感で包み込み、驚きのプライスで登場

文・丸山 浩 写真・奥村純一 text / MARUYAMA Hiroshi  photos / OKUMURA Junichi

国産スーパースポーツ勢を脅かすニューヒーロー

高性能を突き詰めるスーパーバイクカテゴリーは、国産車の独壇場だった。輸入車は、独自のテクノロジーや個性的なテイスト、外観品質の高さなどを追求。直接のパフォーマンス勝負を避けてきたのだ。

そしてついに、同じ土俵で真っ向勝負を仕掛ける輸入車の登場である。BMW S1000RRに乗って驚かされたのは、十分なパワーと違和感のなさだ。実はこの「違和感のなさ」こそ、スーパースポーツを語る上で欠かせない重要な要素なのだ。

独自性で勝負していた輸入車は、乗り味にもクセがあった。そこがマニア心をくすぐるポイントでもあったが、速さを突き詰めるほどに、クセは乗りにくさに転じていく。素直にライダーの言うことを聞いてくれるマシンの方が、操りやすいのだ。

BMWもパラレバー/デュオレバーという独自のサスペンションシステムをお家芸としており、やはり乗り味にはクセがある。しかしS1000RRのサスは至ってコンサバティブで、「速さに直結する乗りやすさ」を重視。レースで本気で勝とうとする意気込みが伝わってくる。

ABS、DCT(トラクションコントロールシステム)、そしてエンジンモードを切り替えるパワーモードスイッチといった電子制御も、サーキット走行でしっかり使えるスポーティさだ。

乗りやすさを重視し、性能向上のために欲しい装備がしっかり用意され、輸入車ならではの質感の高さもブランド力も兼備している。なおかつ価格もリーズナブルな設定。同じ土俵どころか、BMWは初のスーパースポーツモデルにして、一気に国産車を引き離そうとしている。

SPECIFICATIONS(BMW S1000RR)

TRANSMISSION:6-SPEED
LENGTH:2056mm /// WIDTH:826mm
HEIGHT:1138mm /// WEIGHT:204/206.5kg
WHEELBASE:1432mm
SEAT HEIGHT:820mm /// ENGINE:INLINE4
DISPLACEMENT:999cc
POWER:156ps/10000rpm
TORQUE:110Nm/10000rpm
TIRES:F:120/70ZR17 R:190/55ZR17
PRICE:1,690,000~1,990,000yen

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