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M・ベンツの最高峰に位置づけられるラグジュアリィセダンがSクラスである。とりわけW140系と呼ばれる先代Sクラスは、M・ベンツが純粋に高級車のあるべき姿を追い求めて開発されたと言われているモデル。快適で広々とした車内空間のためにボディを大きくし、パワーユニットには新開発の6L V型12気筒エンジンまで用意した。このW140系が本国ドイツで発表されたのは1991年のこと。しかし当時、環境問題への意識が高まりつつあり、W140系は手放しには歓迎されなかった。Sクラスが新しくなると公用車を代替していた本国の官公庁でさえ、大きすぎると入れ替えを渋ったと言われている。しかし、M・ベンツが高級車の理想を何の制約もなく追求したのは、やはりこのW140系なのである。それだけにW140系は潔く高級で、圧倒的な存在感があるモデルなのである。
Sクラスには常に先進のテクノロジーが投入される。W140系ではCANデータバスと呼ばれるコンピュータシステムの採用で、燃費を良くしたり、エンジンとミッションの連動で加速を滑らかにしている。なかでも最もわかりやすいのはエレクトロニック・スタビリティ・プログラムなど、クルマの姿勢を安定させる安全装置。これにはエンジンやブレーキを統合的に制御する先進のコンピュータシステムなしには成立させることは不可能だ。
↑CANデータバスのコンピュータは電子制御の心臓部。この部品だけでも150万円超す、大変高価なもの
↑電子制御で複雑に制御されるV12は、エンジンルーム内の熱で不具合を起こすことも多いようだ
いかにして快適なクルマにするか。これこそSクラス開発の重要なテーマであり、それを実現するために様々な機能、装備が採用されている。まず、W140系は前後の窓ガラスを二重構造にしている。外の騒音が入りにくく、断熱効果が高いからだ。また、ロングボディ車にはオートドアクロージャーも備わっている。さらには快適で広い視界を確保するワイパーは、払拭面積拡大のためにM・ベンツがこだわっていた複雑な動きの1本ワイパーに、さらに1本加えたパノラマワイパーを採用している。
↑後部座席のパッセンジャーを直射日光から守るサンシェード。電動で開閉する
↑キーの差し込み部を押すと、エア圧で開閉用の取っ手が滑り出す機能まで採用
↑ドアを軽く閉じると、ロックはエア圧が代行してくれる。ドア開閉もラクラク
↑W140系専用のパノラマワイパーにより、フロントウインドウの90%を拭き取る
↑二重ガラスの間には乾燥空気を封入している。ガラスユニットの重量があり不具合も多い
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メルセデスベンツ Sクラス(W140系)/1991〜98年
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